写真は様々なメーカーのカッパー・オレンジ系のヘアカラー剤(ファッションカラー)を染めたイメージです。上段は色みの参考としてマンセル表色系のカラーチャートを一緒に撮影しています。下段は、左からアルーリアファッション マット8(ロレアル)、アジアンカラー マット8(アリミノ)、アソートアリアC-8/YGマット(デミ)、HBケアテクトカラーC-Ma8マット(ナプラ)、イゴラロイヤルイマジアM8ミント(シュワルツコフ)、コレストン8/2マット(ウエラ)、マテリアM-8マット(ルベル)、オルディーブ8-20マット(ミルボン)、プリミエンスM8マット(資生堂)、プロマスターM-8/7マット(ホーユー)で染めた毛束です。毛束は、ハイブリーチ毛・ブリーチ毛・黒毛の3本を1セットとして使用しました。
マット系の作り方
緑系の色を出すことのできる汎用染料がないため、青系と黄色系の染料を混ぜてマットを作ることが多くなっています。
塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノールとレゾルシンを用いる方法
アッシュ系とほぼ同じ、または極めて似た染料成分となります。
酸化染料の染料中間体としてパラフェニレンジアミンまたは(硫酸)トルエン2,5-ジアミンのいずれか、カップラーとして主に塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール、レゾルシンが用いられます。
他のカップラーも併用していたり、黄色系の直接染料を併用している場合もあります。
彩度が出にくいのですが、直接染料を用いない場合は色持ちの良さやEUの安全性基準などへ配慮した作り方ということができます。
コレストンパーフェクトPURE、オルディーブ、プリミエンス、アソートアリア、イゴラロイヤルイマジア、アルーリアファッションなど(2012年現在)。ただしアクセントカラーではもう1つの方法である2,6-ジアミノピリジンを用いる作り方をしているブランドもあります。
2,6-ジアミノピリジンと直接染料を用いる方法
酸化染料としては主に(硫酸)トルエン2,5-ジアミンなどの染料中間体、2,6-ジアミノピリジン、レゾルシンなどのカップラーと、パラニトロオルトフェニレンジアミンなどの黄色系の直接染料が用いられます。
トルエン2,5-ジアミン以外の染料中間体を併用していたり、塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノールなどのカップラーを併用している場合もあります。
彩度が出やすい作り方です。
EUで2,6-ジアミノピリジンやパラニトロオルトフェニレンジアミンが使用できなくなったこともあり、日本国内でもこの方法でマット系の色を作るメーカーは減りました。なお、日本の薬事法上は2012年現在は使用することができます。
アジアンカラーデザインエキスパート、プロマスター、マテリアなど(2012年現在)。
マット系染料のまとめ
太字:特に良く用いられる染料
細字:用いられることのある染料
2012年現在の情報です。メーカーによって異なったり、時代とともに変化する場合もございます。
記載内容に関して当方では一切の責任を負いません。またこの情報の無断転載はご遠慮下さい。
名称 | マット系 | |||||
イメージ | ||||||
良く用いられる 染料中間体 | トルエン-2,5-ジアミン パラフェニレンジアミン | |||||
良く用いられる カップラー | レゾルシン 2,4-ジアミノフェノキシエタノール 2,6-ジアミノピリジン メタアミノフェノール α-ナフトール | |||||
良く用いられる 直接染料 | パラニトロオルトフェニレンジアミン 硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン | |||||
特徴 | 2,6-ジアミノピリジンが多くなると緑がしっかり出て、入っていないと色のキャラクターが弱いくすんだ色合いになる。 メタアミノフェノールやα-ナフトールが多くなると、灰みが出る。 硫酸パラニトロメタフェニレンジアミンやパラニトロオルトフェニレンジアミンが多くなると黄みが強くなり彩度が出やすい。 |
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