人体の中で,人の印象に関与する代表的な部位は「顔」であり,「顔」はヘアデザインやメイクアップなどの美容を施す部位としても,極めて重要な部位といえます.
そのため,自分の顔の特徴を理解することは,自分の特徴に適したヘアデザインやメイクアップを選びたいとき,なりたいイメージへの印象変化などに役立てることが可能です.
そこで今回は,美容の感性学1と題して,基本となる ”理想的な顔型と骨格” について,解説をしていきます.
形態としての理想的な顔の形
はじめに,ヘアデザインによる顔への影響を考える上で重要となる, ”形態としての美の原理” に触れておきましょう.
なぜならば,文字通り,「容(かたち)」を「美しくする」行為こそが,美容であるためです.
「美」には絶対的な定義が存在するわけではありませんが,脈々と受け継がれてきた歴史の中で,人が美しいと思う形態や,感覚としての 美の原理のようなものが存在していることが解明されています.
それらの学問の中の一つとして,シンメトリーや黄金分割と称される優れた数学的特性を持つ「形態学」が挙げられます.
黄金バランスに近い顔の形=「卵型」が人の輪郭の理想(形態美)とされ,好みや時代性はありますが,人々が外見を評価する時の美の形の一つとなっています(Fig.1).
西洋人の骨格と東洋人の骨格
顔の形は,皮下脂肪や筋肉などによる影響はもちろんのこと,皮膚の内側に存在している頭蓋骨の形に大きく影響を受けています.個人差はあるものの,西洋人と東洋人の骨格には以下のような特徴の違いがあります(Fig.2)(Fig.3).※あくまでも一例であり,全てのひとに当てはまるわけではありません.
🔸西洋人の特徴
基本的に額が広く,あごが尖(とが)っている.
頭頂部が出ているため,立体的な骨格.
東洋人と比較して,髪の毛の生え際が上部に位置している.
目鼻立ちがしっかりとしている.
🔹東洋人の特徴
顔が大きめで額が狭く,エラが張っている.
後頭部が平坦でゼッペキな骨格の人が多い.
頭部のハチ部分が張っている人が多い.
パーツの凹凸が少なく,平面的なつくり.
美容の感性学の第一回目となる,今回のテーマ”理想的な顔型と骨格”は如何でしたでしょうか.
次回,第二回目として, “4つの代表的な顔型” について解説をする予定です.どうぞお楽しみに!
引用文献:日本顔学会編「 顔の百科事典 」丸善出版,2015
投稿者 :Myu-(ムユウ)
人間の美に関する形態美,感性的な美について実践と理論に基づいて研究中.
美容師,管理美容師,準学士(美容芸術),学士(芸術学),修士(芸術),博士(学術)