色彩の世界では、「赤」「青」「黄色」など、良く使う色の名前は大体決まっています。
また、「緑」や「黄色」を見て「赤」という人がいないように、「赤」というとどういう色を指すかは誰もが知っています。
しかし、美容業界のヘアカラーでは、おおよその明るさの基準がある以外は決まりごとがありません。
ヘアカラーの色の名前やその色の指す範囲は、ヘアカラー剤のメーカー・美容室等によってもすこしずつ違います。
ただ、それでも、多くのメーカーや美容室、美容師向けの専門書で通用しやすい基本的なヘアカラーの色はいくつかあります。
ここでは、「美容業界に最も一般的に通用するであろう」色を基にしています。
明度(レベル)
髪の明度は、髪に含まれるメラニン色素の量で決まります。
美容業界では、髪色の明度を「レベル」といいます。レベルの基準は国や美容室によっても違いますが、当協会では下記のように定義しています。
1~4レベル…ブラック。ほとんどの人が黒に感じるレベルです。
5~7レベル…ダークブラウン。近くで見ると茶色に見えるレベルですが、遠くで見ると黒髪か茶色かの区別が難しいレベルです。
8~10レベル…ブラウン。近くで見ても遠くで見ても茶色だと分かるレベルです。
11~13レベル…ライトブラウン。近くで見ると明るい色だと感じるレベルです。
14~17レベル…ブロンド。近くで見ても遠くで見ても目に付くレベルです。
20レベル…ホワイト。髪の色素であるメラニンが含まれないレベルで、髪が全て白髪になるとこのレベルになります。
髪をブリーチをしたり紫外線を浴びたりすると、髪のメラニン色素が分解されるために明るくなっていきます。
ヘアカラーリングでも髪のメラニン色素が分解されますが、同時に染料による発色も起こるため、元の明度よりも明るくなる場合も暗くなる場合もあります。
明るさ | ||||||||||||||||||||
※画像はおおよその色合いです。画面の色設定、光源等により見え方は変わりますのでご了承下さい。 |
色み
美容室用ヘアカラー剤に良く用いられる名前には、ナチュラル(赤みを抑えた茶系)、ブラウン(赤茶系)、ベージュ(黄茶系)、モノトーン(灰色系)、アッシュ(青系)、マット(緑系)、ゴールド(黄系)、オレンジ(橙系)、カッパー(赤橙系)、レッド(赤系)、ピンク(赤紫系)、バイオレット(紫系)、ラベンダー(青紫系)などがあります。カッコ内の○○系はヘアカラー剤のおおよその色相で、髪に塗布した時の仕上がりの色とは異なります。
ヘアカラー剤のブランドによっては、レッドではなくローズ、バイオレットではなくパープルという名称を用いるなど、上記と若干異なる名称を用いる場合もあります。
また、ゴールドとマットの中間の黄緑系や、アッシュとマットの中間の青緑系のように、色相のラインナップがより細かくなっているものや、逆に色相数を絞っているブランドもあります。
2015年頃から他ブランドとの差別化のためか、キャッチーな色名も見られるようになりました。特に寒色系を重視しているブランドにその傾向が顕著です。
色み | ||||||||||
※画像は9レベル前後のおおよその色みです。画面の色設定、光源等により見え方は変わります。また明度(レベル)が違えば見え方も変わります。 |
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