カラー剤のミックスは、時にして予想外の結果を生むことがあります。
今回は、ブルー系8レベルとゴールド系10レベルを混色して赤が出る例を検証してみました。
【用いたカラー剤】
某ブランド
ブルー系8レベル&ゴールド系10レベル(1:0から0:1まで様々な割合で混合)
オキシ6%
【染料処方】
●ブルー系
塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール
硫酸トルエン2,5-ジアミン
●ゴールド系
レゾルシン
パラアミノフェノール
【条件】
室温30分放置
【結果】
ブルー系とゴールド系のミックスにより、紫やピンク系の色がでました。
写真左から、ブルー系:ゴールド系で1:0, 5:1, 1:1, 1:3, 0:1
【考察】
ブルー系に含まれる染料
「硫酸トルエン2,5-ジアミン」(染料中間体)
「塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール」(カップラー)
は反応すると青
ゴールド系に含まれる染料
「パラアミノフェノール」(染料中間体)
「レゾルシン」(カップラー)
は反応すると黄色
ミックスすると
「硫酸トルエン2,5-ジアミン」(染料中間体)
「パラアミノフェノール」(染料中間体)
「レゾルシン」(カップラー)
「塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール」(カップラー)
この4つが混在することになります。
「硫酸トルエン2,5-ジアミン」(染料中間体)
「塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール」(カップラー)
⇒青
「パラアミノフェノール」(染料中間体)
「レゾルシン」(カップラー)
⇒黄色
に加えて、
「パラアミノフェノール」(染料中間体)
「塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール」(カップラー)
⇒赤
「硫酸トルエン2,5-ジアミン」(染料中間体)
「レゾルシン」(カップラー)
⇒オリーブ
の反応も進行することになります。
今回のカラー剤では、
「パラアミノフェノール」(染料中間体)
「塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール」(カップラー)
⇒赤
この反応が色がいちばん強く出やすかったために、赤みに大きくふれたのではないかと考えられます。
※実際は染料中間体同士の反応もあるためより複雑になりますが、ここでは簡略化のた省略いたしました。
※メーカー、ブランド、レベルによって、染料の種類、配合比率、配合量などが異なってきます。従いまして、必ずしも黄色系と青系の混色で赤みが強く出るとは限りません。今回は結果を見やすいように、赤が強く出やすいカラー剤を選定して行っております。