髪は烏の濡羽色

昔はカラスの濡れた羽のような、「漆黒」「青みを帯びた黒」がキレイな髪色とされていました。  今でこそ、「髪は烏の濡羽色」のような髪色を好む女性は少なくなりましたが。

日本で初めて(酸化染料による)ヘアカラーが発売されたのは明治時代末期、1905年とされています。

1900年代初頭からヘアカラーを製造販売していたメーカーで、今も現存しているメーカーは、ホーユー(当時は「水野甘苦堂」)とシュワルツコフヘンケル(当時は「山発商店」)の2社ではないかと思います(他もあるかもしれませんが未確認です)。

当時、ホーユーのヘアカラーは「二羽からす」や「三羽からす」、シュワルツコフヘンケルのヘアカラーは「るり羽」という製品名で発売されていました。

烏の濡羽色」が好まれていた時代背景を連想させる製品名ですよね?

それから、当時のヘアカラーは、「白毛赤毛染め」というキャッチコピーがついている商品も多かったんです。  「白毛」だけでなく「赤毛」も染める対象だったのかもしれませんね。  日本人は髪の赤みを嫌う方も多くいらっしゃいますが、もしかしたら、こういった時代背景も関係あるのかもしれません。

参考情報:

「ホーユー製品史」

「シュワルツコフヘンケル商品年表」