例えば
「あの子は茶色い服を着ていた」
と言った場合、皆さんが想像する
「茶色」
は同じ茶色でしょうか…?
例えば
「12レベルのアッシュ」
「6レベルのレッド」
と言った場合、想像する髪色は皆さん同じでしょうか…?
茶色と聞いて、さすがに青を想像する人はいないと思いますが、
赤茶色を想像する方もいれば、黄みの茶色を想像する方もいるかも知れないし、
黒に近い茶色を想像する方もいれば、ベージュに近い明るい茶色を想像する方もいるかも知れません。
こういう微妙な差を、正確に表現したいときに役に立つのが「表色系」です。
「色の正確な位置」を表現するんです。
表色系にはさまざまなものがあります。
位置を表現するのにも、例えば
「○○線○○駅の○○改札」
「○○県○○市○○町○丁目○番地」
「北緯○○度、東経○○度」
等々…、様々な表現方法があるでしょう。
ヘアカラーの研究の場でよく用いられる表色系に、
「L*a*b*表色系」
「マンセル表色系」
の2つがあります。
「L*a*b*表色系」は、「北緯○○度、東経○○度」のような表現に近いかもしれません。
「北緯35.7度、東経139.8度」と言われてもそれが「東京」なのか「大阪」なのかすぐに分からないように、L*a*b*表色系では、それが「赤」なのか「オレンジ」なのかはパッとわかりません。
でも、例えば「北緯51.5度、東経0度の地点と、北緯35.7度、東経139.8度の地点は、どの方向にどのくらい離れているか」と聞かれたときに、わざわざ地図を見なくてもすぐに答えられます。
「マンセル表色系」は、住所表記に近いかもしれません。
住所表記では「東京」なのか「大阪」なのかというのがわかりますが、マンセル表色系も同じように「赤」なのか「オレンジ」なのかがすぐに分かるようにできているんです。
でも、例えば「ロンドンから東京はどの方向にどのくらい離れているか」と聞かれても、普通の方は地図を見ないと答えられません。
それぞれ一長一短がありますが、パーソナルヘアカラー研究所のヘアカラー研究では「L*a*b*表色系」を主に用いています。
次回は、「L*a*b*表色系」についてお話をしたいと思います。