「絶対色感」
聞きなれない方も多いかと思いますが、
「絶対音感」であれば聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
「絶対音感」は、楽譜を見ずに音だけを聞いて、それがどの音かを言い当てることができること。
それに対して「絶対色感」は、色だけをみて、それがどの色か(明度・彩度・色相)を正確に記憶できること、と言えるでしょう。
江戸時代の人々は、たびたび高価な染物(鮮やかな色である場合が多い)が禁止されたので、
「四十八茶百鼠」
といって、茶色や鼠色の微妙な色合いを楽しむ、独特の色彩文化もあったようです。
伝統色名関連の本を見ると、実際には48色以上の茶色、100色以上の鼠色が記録に残っているのだとか。
実際に江戸時代の人々が微妙な茶色・鼠色をそれぞれ48色、100色も見分けることができたかは分かりませんが、
少なくとも現代人よりは「絶対色感」に優れていたのではないだろうかという気がしています。
反面、現代人は、
「赤」「黄」「緑」「青」…
のような単純明快な名前でしか、色を表現できないと言います。
パーソナルカラー(似合う洋服の色)診断でも、
「似合う色が分かっても、色見本がないと自分で選ぶことが難しい」
と仰る方が大変多いです。
「絶対色感」は訓練により養うことができます。
「色相」「明度」「彩度」…おおよそのどのあたりにあるか、意識して色を見るようにしてみましょう。
日ごろから「絶対色感」を少しでも養っておくと、
感性も豊かになりますし、お洋服やメイクの色選びも楽になります。
また、色を仕事(の一部)にするカラーアナリストや美容師の方々は、
お仕事上もかなり楽になるのではないかと思います。